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一般用医薬品(OTC薬)長期連用点眼による充血

ドラッグストアで購入できる一般用医薬品(OTC薬)の点眼薬は長期間連用すると、時に無視できない副作用を起こすことがあります。

右目の(上)強膜炎?

10年前から目の赤味を自覚していた47歳の男性が、最近になって右目の充血がさらにひどくなったとして眼科を受診したところ、右目の上強膜炎と診断され、フルメトロン(0.1)点眼を処方されました。
しかし改善がないので、総合病院眼科に紹介され、リンデロン点眼やプレドニゾロン内服(30mg)も受けました。また眼窩病変ではないかと疑われてMRI検査も行いましたが、充血の原因は不明で改善がみられません。
そこで大学病院眼科に紹介されてきました。

視力は両眼とも裸眼で1.5で痛みもありません。
右目だけ充血していますが、細隙灯顕微鏡でよく観察すると強膜の血管ではなく、その表面を覆う結膜の血管の拡張です(図の左)。
交感神経α1受容体作動薬で散瞳作用とともに血管収縮作用があるフェニレフリン(ネオシネジン)を点眼すると数分で充血は消失しました(図の右)。

反応性充血

そこで再度、病歴を確認すると、10年前から右目の充血が気になり、疲れ目だと思って市販の目薬(ロートジー)を右目にだけ毎日数回使用していたことがわかりました。
この市販目薬には塩酸テトラヒドロゾリンという交感神経α1受容体作動薬が含まれています。
白目の充血をとるために多くの市販目薬に含まれている血管収縮剤です。
しかし長期に連用すると結膜血管に分布する交感神経のα1受容体の数が増えるために、充血がかえって悪化して(反応性充血という)さらに点眼を続けるというイタチごっこになります。
治療はα1受容体作動薬が含まれる市販の目薬をやめることですが、効果がみられるには長期間を要します。