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自動視野計による視野障害等級

身体障害者手帳の障害等級を定める身体障害者福祉法施行規則(昭和25年厚生省令第15号)別表第5号「身体障害者障害程度等級表」は2018年に改訂され、視野障害による視覚障害の等級は自動視野計でも判定できるようになりました。https://meisha.info/archives/2849

自動視野計による視野障害の評価

判定にはハンフリー視野計、オクトパス視野計、コーワ視野計など現在市販されている自動視野計に搭載されている以下の2つの検査が必要です。
1. 両眼開放エスターマンテスト
2. 左右各眼の10-2プログラム
1. で求める[両眼開放視野視認点数]はゴールドマン視野計のⅠ/4視標で測定する周辺視野角度を代替するものです。
2. で求める[両眼中心視野視認点数]はゴールドマン視野計のⅠ/2視標による両眼中心視野角度を代替するものです。
なおハンフリー視野計を使用する両眼開放エスターマンテストの検査方法は動画での説明があります。https://www.zeiss.co.jp/meditec/media-news/LatesstNews2/news-item-18.html

両眼開放エスターマンテストによる[両眼開放視野視認点数]

下方に重み付けされた水平 70 度までの視野内の 120 点において、視標サイズⅢで10dB の閾上刺激を行います。
片目ずつではなく両眼開放下で検査を行い、視認点数をカウントして[両眼開放視野視認点数]を求め、70点と100点で区分します。

10-2プログラムによる[両眼中心視野視認点数]

半径10度以内に2度間隔で配置された68個の視標による閾値検査を左右眼別々に行います。
感度26dB以上の点を左右それぞれでカウントして、その加重平均である[両眼中心視野視認点数]を20点と40点で区分します。

視野障害等級

[両眼開放視野視認点数]が70点以下であれば[両眼中心視野視認点数]によって、2級(≦20)、3級(≦40)、4級(41≦)となります。
[両眼開放視野視認点数]が71点以上100点以下であれば、[両眼中心視野視認点数]の点数にかかわらず5級です。
[両眼開放視野視認点数]が101点以上であっても[両眼中心視野視認点数]が40点以下であればやはり5級です。