• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

遮閉試験の occluder(遮眼子)

眼科に子供を連れていかれたお母さんがたは、眼科医が手のひらで子供(写真は大人ですが)の片目を隠し、その手を反対側の目に移す光景を見たことがあると思います。

これは遮閉試験で眼位のずれである斜位や斜視の有無を調べています。
眼位が正常(正位といいます)だと子供の目は動きませんが、外斜視では外(耳側)から内(鼻側)へ、内斜視では内(鼻側)から外(耳側)へ目が動きます。
眼位ずれには顕性の斜視潜伏性の斜位の違いがあり、3種類の試験(遮閉試験CT、遮閉-遮閉除去試験CUT、交代遮閉試験ACT)によって斜視と斜位を区別できます。https://meisha.info/archives/478
中西裕子. 眼位検査. In: 根木昭, ed. 眼科検査ガイド 第3版.140-156. 2022

Occluder:遮眼子

遮閉試験の際、斜視を専門にする眼科医や視能訓練士は、手のひらの代わりにoccluderと呼ばれる丸あるいは四角の板を使います。
“occlude”にはふさぐ、閉じ込める、遮断するなどの意味があります。
目への視覚刺激を遮断する目的のoccluderは日眼用語集第6版では遮眼子とされていますが、遮閉子や遮閉板と呼ばれることもあります。
両目の視線がずれていても、無意識のうちにこれを補正して揃える機能は融像と呼ばれますが、occluderは融像機能の働きを取り除きます。

不透明occluderと半透明occluder

使用されるoccluderには不透明occluder図左と半透明occluder(図右)があります。
不透明occluderでの融像除去は完璧ですが、遮閉した後ろの目の位置がわからないので私は半透明occluderを好んで使用します。

自作の半透明occluder

市販の半透明occluderは数千円と比較的高価です。
しかし実物は百円均一ショップに並んでいても不思議のない簡単な作りなので、百均で購入したプラスチックまな板とフライパン返しのへらで自作してみました。
1個あたりの作成実費は60円くらいです。