大学病院に初めてかかる際には診療所からの紹介状が必要です。
さらに多くの診療科では事前に紹介初診の予約をとる必要があります(紹介初診予約)。
しかし直近の予約枠が埋まっていると、緊急の入院や手術が必要な患者さんを迅速に紹介できないことがあります。
そのような場合、夜間や休日であっても、診察した診療所の先生がTELにて眼科当直医に連絡すれば、救急外来あるいは直近の外来診察日の予約枠外で患者さんを受け入れる体制が山梨大学の眼科にはできています。
ただし緊急対応すべき眼科疾患に何を含めるべきかは、眼科医間でも意見の違いがあるようです。
筆者の認識としては、大学病院で緊急に対応すべき主な眼科救急疾患は外傷と急性炎症で、これを部位別に表にまとめました。
緊急度のレベルは2つに分かれます。
緊急度1:時間単位の緊急で、休日や夜間だと大学病院の救急外来に来てもらい、眼科が受け入れるものです。
その対象にはすべての外傷と感染による急性炎症が含まれます。
緊急度2:日単位での緊急で、休日や夜間であれば翌日以降の外来診療日の受診でよいものです。緊急度1に含まれるもの以外で、代表は裂孔原性網膜剝離や、VKH、大量黄斑下血腫などです。
強度近視眼や網膜静脈閉塞症に伴って少量の黄斑下血腫がみられることがありますがhttps://meisha.info/archives/2201、これは緊急対象ではありません。
緊急性があるのは網膜細動脈破裂やPCVなどの滲出型加齢黄斑変性に続発する図のような大量の血腫です。(図では網膜前出血も伴っている)
これが1-2週間以上続くと高度で不可逆性の中心暗点を残します。
入院の上、tPAを使用して硝子体にガスを注入して腹臥位をとらせるガス注入血腫移動術、あるいは硝子体手術を発症後早期に行うことが勧められます。