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白内障の目薬

白内障は角膜の後方にある本来透明な水晶体が白く濁り、かすんで見え辛くなる目の病気です。
進行した白内障では散瞳薬で瞳を広げると肉眼でも白くなっていることがわかります。

白内障がある程度すすんで見え辛くなった目での治療は手術です。
https://meisha.info/archives/761
しかし反対側の目がまだよく見えている高齢者の多くは、生活上の支障がなく目の手術は怖いとして、代わりに白内障の目薬を希望します。
手術をせずに眼科に通っている高齢の患者さんは少なくありません。
白内障の目薬にはどのような作用があるのでしょうか?

白内障用点眼薬

水晶体の組成の2/3は水分で、残り1/3の蛋白の多くはクリスタリンと呼ばれる水晶体特有の蛋白です。
水溶性蛋白なので砂糖水が透明なのと同じで、光を通し水晶体は透明です。
クリスタリンは紫外線などのストレスによって発生する活性酸素によって酸化され、変性します。
すると互いにくっついて凝集することで不溶性となり、光を遮るようになります。
そのためポタージュスープが濁っているように、水晶体が濁って白内障になるのです。
実際、水晶体には多くの還元型グルタチオンが含まれていて、水晶体蛋白の酸化を防止しています。

白内障目薬の作用

白内障用点眼薬は上記の白内障発生のメカニズムのいずれかの箇所を阻止する目的で設計されています。
分類すると表の1. から4. のようになります。
3. はクリスタリン蛋白に含まれるアミノ酸のSH基同士が縮合してS-S結合によって蛋白が凝集するのを阻止する働きです。
蛋白の凝集には紫外線によって発生したキノイド物質が蛋白に結合して進行する機序もあります。
4. は蛋白に結合するキノイドを競合阻害する成分(ピレノキシン)による作用です。

参考文献

青瀬雅資, 松島博之: 日本国内で使える白内障予防薬. あたらしい眼科 31:1455-9.2014