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類表皮嚢胞(表皮様嚢腫)

皮膚の出来物(腫瘤)の中で袋状のものは嚢胞または嚢腫cystと呼ばれます。
まぶたの皮膚では皮様嚢腫https://meisha.info/archives/1316瞼板内角質嚢胞マイボーム腺嚢胞https://meisha.info/archives/638、それに類表皮嚢胞が多いとされています。
小幡博人: 眼瞼腫瘍の診療の要点. 日本眼科学会雑誌 123: 785-804, 2019.

皮様嚢腫と類表皮嚢胞

瞼板に関連しない皮様嚢腫と類表皮嚢胞は似ていますが、嚢胞の壁の構成が異なります。
皮様嚢腫は表皮+真皮のため、毛包、脂腺など真皮付属器を伴っていて、嚢胞内の貯留物には表皮細胞の死骸である角質(ケラチン)だけでなく、皮脂や毛髪が含まれています。
一方、類表皮嚢胞は真皮を含まない表皮のみなので、内容は剥離した角質(垢)から成る白色粥状(じゅくじょう)物質だけです。

類表皮嚢胞

類表皮嚢胞Epidermal (inclusion) cyst or epidermoid cystは徐々に拡大する表面平滑で硬い皮下腫瘤で、特発性、外傷/手術の続発性、あるいは先天性に生じます。
Shields JA, Shields CL. Atlas of eyelid and conjunctival tumors.  156-159 (Lippincott Williams & Wilkins, 1999).
眼瞼を含む顔面以外に、腰部、臀部、体幹上部などにもみられ、粉瘤、アテローマ(atheroma)https://www.dermatol.or.jp/qa/qa17/q02.htmlとも呼ばれます。
高村浩: 表皮嚢胞. In: 大島浩一 & 後藤浩 (Eds): 知っておきたい眼腫瘍診療(眼科臨床エキスパート). 医学書院, 東京, 218-220, 2015.

表皮または毛包漏斗部由来の上皮成分が真皮に陥入して増殖し、その内部に粥状の角質を貯留して出来ると考えられています。
皮膚の良性腫瘍. In: 清水宏 (Eds): あたらしい皮膚科学、第3版. 406-419, 2018.

一方、皮様嚢腫は胎生期に前頭骨と頬骨が癒合する際に引き込まれた外胚葉が皮膚による袋を作ることでできると考えられています。
小幡博人: 眼瞼腫瘍の診療の要点. 日本眼科学会雑誌 123: 785-804, 2019.