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過矯正メガネが原因の眼精疲労

長時間読書をしたり、コンピュータ作業をしたりしていると、目が重く目を開いているのがつらいと感じることがあります。
これは[疲れ目]で遠くの景色を眺めるなどして目を休ませると回復します。

疲れ目と眼精疲労

眼精疲労は、このような疲れ目の症状に加えて、目周囲の痛みや霞んだ見え方などの目の症状と、頭痛や嘔吐など全身の症状をも伴う症候群です。
また一時的な休憩や一晩ぐっすりの睡眠でも容易に回復しないことがあります。

過矯正メガネ

眼精疲労の原因はさまざまですが、若い近視の人の場合の多くは過矯正メガネによるものです。
近視の度数は最適のメガネ度数で表され、その単位はジオプター(D)です。
しかし-3Dの近視の若者は-3.5Dや-4Dのメガネをかけても最良の1.0の視力表が読めます。
これは水晶体を厚くする調節によります。
しかし本来最適のメガネ度数よりもマイナス側のレンズのメガネは過矯正メガネと呼ばれ、調節の負担のために常用していると眼精疲労を起こします。

近業による疲れ目

過矯正メガネによる眼精疲労を理解する前に、スマートフォンの見すぎによる疲れ目について説明しましょう。
近視ではない正視の目では裸眼で遠くの景色にピントが合っています。
(近視や遠視でも最適のメガネをかけていれば同様に遠くにピントが合います。)
その目で近くを見る時には、眼球内の毛様体筋の収縮によって水晶体を厚くすることで、スマートフォンなどにピントが合います。

しかし長時間運動すると腕や足が筋肉疲労を起こすように、長時間近い位置のスマートフォンを見続けると毛様体筋が筋肉疲労を起こします。
対策はスマートフォンを目から少し離したり、ときどき遠くの景色を見たりするなど、毛様体筋を休ませることです。

過矯正メガネによる眼精疲労

-3Dの近視の人が遠くの山を見るには-3Dのメガネをかけます。
同じ人が-3.5Dの過矯正メガネをかけると調節なしでは網膜にピントが合いません。
そこで毛様体筋を働かせて0.5Dの調節を追加してピントを合わせます。

この0.5Dの余分な追加の調節は近くをみているときも必要です。
すなわち-3.5Dの過矯正眼鏡をかけている-3Dの近視の人は、常に0.5Dの調節に相当する仕事を毛様体筋に負荷していて、しかもその負荷は物を見ている間中持続していて、休まることはありません。
そのため毛様体筋の筋肉疲労が蓄積して睡眠をとっても回復しない状態になります。
これが過矯正メガネによる眼精疲労のメカニズムです。

過矯正メガネを防止するレッドグッリーンテスト(赤緑試験)

解決策は適正なメガネに作り直すことです。
メガネを作る際に[赤と緑の中の黒い細い丸の線のどちらがはっきり見えますか]というレッドグリーンテストは過矯正をチェックする試験です。
緑の中の黒線が赤の中よりくっきりみえる場合(R<G)は過矯正です。
両者が同様に見える(R=G)またはやや低矯正(R>G)が目に優しいメガネです。

その詳しい説明は飯島裕幸著[これで納得 目の検査]を参照ください。
https://www.gentosha-book.com/products/9784344928879/