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色覚異常の目が苦手な色見分け

先天赤緑色覚異常では赤と緑の区別がつきにくくなります。
それはどうしてでしょうか?

ヒトの色覚は3色型色覚

正常ヒト網膜には吸収波長が異なるL錐体、M錐体、S錐体の3種類の錐体があり、その入力信号の組み合わせによって、赤、橙、黄、緑、青、紫など波長の異なる光を色の違いとして認識しています。
このように3種類の細胞で色の違いを認識する機序は、生物学では3色型色覚と呼びますが、眼科学では一般的に[色型]をとって3色覚と呼びます。
3色型色覚の[3色型]は色覚の次元のことで、男性の5%にみられる先天赤緑色覚異常での1型2色覚や2型3色覚などの1型、2型とは異なります。https://meisha.info/archives/1463

1型はL錐体の異常、2型はM錐体の異常

1型2色覚ではL錐体が欠如し、1型3色覚では正常L錐体の代わりにM錐体の波長吸収に類似した異常L錐体がみられます。
また2型2色覚ではM錐体が欠如し、2型3色覚では正常M錐体の代わりにL錐体の波長吸収に類似した異常M錐体がみられます。(図の左

色の違いの認識

青緑、黄緑、橙を例にとって色をどのように区別しているか見てみましょう。
色の違いは図右のように、それぞれの波長の光がL、M、S錐体を活性化する割合で判断されます。
その際、青緑と黄緑の違いは色覚異常であっても、S錐体とMまたはL錐体の割合が大きく異なるので問題ありません。
これに対して黄緑と橙は主にM錐体とL錐体の活性化の違いで見分けます。
しかし1型2色覚、2型2色覚ではどちらか一方しかないので、明るさの違いを生じるだけで、色の違いを判断するのは困難です。
また1型3色覚や2型3色覚でもM錐体と異常L錐体、異常M錐体とL錐体の吸収波長曲線が類似しているために活性化の比が1に近く、色の区別は困難です。

先天赤緑色覚異常の目は中~長波長領域の色の見分けが苦手

同様に緑から黄緑、黄、橙を経て赤に変化する、中から長波長領域の色相の違いが見分けにくくなります。
色覚検査のスクリーニングに使用される石原表https://meisha.info/archives/1471では、この緑、黄緑、黄、橙、赤の淡い色票を使用しているために、異常者では数字を読み取りにくくなるのです。