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MEWDS: 多発消失性白点症候群

多発消失性白点症候群 MEWDS: multiple evanescent white dot syndromeは通常、若年女性の片目に急性に発症する視野障害です。
視力は正常か軽度の低下のことが多いです。
眼底には淡い白色の多数の斑が見られますが、症状の軽快とともに消失するため、多発消失性と命名されています。
急性期のOCTでは視野障害に一致して、OCT像で病変部の網膜外層のEZが不明瞭となり、炎症による視細胞の障害が想定されています。
同様のOCT変化はAZOOR https://meisha.info/archives/3548でも見られますが、AZOORでの変化が不可逆性なのに対して、MEWDSでは眼底変化や視野障害、OCTの異常のいずれもが可逆性に回復し、予後良好である点が異なります。

MEWDSの白斑(白点)

最初の報告者であるJampolによってMEWDSのWD: white dot=白点と命名されていますが、遺伝性疾患の白点状眼底https://meisha.info/archives/1873で見られるような明瞭な白点ではなく、境界はやや不鮮明で白斑と呼ぶほうが適切と思われます。
Jampol LM et al.: Multiple evanescent white dot syndrome. I. Clinical findings. Arch Ophthalmol 102:671-4.1984
図は自験例の眼底写真です。白斑は眼底後極にも周辺にもみられます。(おそらく炎症の拡がりに従って出現する場所が変化するためと考えられます)

回復する視野障害

典型例では感冒様症状に引き続いて、光視症を自覚し、片眼の視力視野障害を訴えます。
ただし視力は良好のことも多く、病像の変化はハンフリー視野による暗点や沈下の推移で観察するのがよいです。
図は22歳女性の左眼耳側視野障害の回復過程です。

MEWDSの視野回復過程は以下論文に記載されています。
石原怜美他: Multiple evanescent white dot syndrome 5例の静的自動視野検査所見と経過. 日本眼科学会雑誌 111:533-8.2007