• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

光覚弁の確認方法

最低限の視力である光覚弁 s.l.: sensus luminis or LP: light perception https://meisha.info/archives/3514は、検査される目の瞳孔に光を入射して検査します。
その際[光がわかりますか?]と尋ねると、光覚弁なしの患者さんでも見えた気がして[見えた]と答えることがあります。
手のひらで他眼をしっかり隠し、[光が目に入った瞬間に見えたと答えてください]と指示した上で、倒像検眼鏡の光を検査される目に入れ、その瞬間に[見えた]と答えた場合にのみLP +と判定するのが正しい判断です。

白内障術後に光覚弁なしだった患者さん

図は両眼のPEA/IOL手術を他院で行ったが術後の右眼視力が手動弁だったため、精査目的で大学病院に紹介された25歳の患者さんの右眼の眼底写真とOCTです。

硝子体混濁のため苦労して撮影できたSS-OCT画像では黄斑部に丈の低い網膜剥離が見られました。
周辺眼底の観察は困難で原因となる網膜裂孔は確認できませんでしたが、白内障のために陳旧性の裂孔原性網膜剝離に気づかずPEA/IOLを行った結果、術後の視力が不良だったと判断されました。

再度の視力確認

その患者さんの視力が手動弁であったというので、確認したところ光覚弁なしでした。
そこで前医での視力検査のようすを尋ねたところ、[手の動きがわかるか?]との問いに対して、わかるような気がしたので[わかる]と答えたとのことです。

手動弁の有無に関しても[目の前で動かす手の動きが縦か横かを答えてください]という質問で確認すべきです。
ちなみに前医での術前にBモードエコー検査は行われて網膜剥離なしと判断されたようですが、光方向当て検査 light projection test https://meisha.info/archives/767ERG検査まで行っていれば光覚弁なしの目の手術を行うことはなかったと思われます。