• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

結膜下出血の患者説明

結膜とその下の強膜との間に出血が貯留する結膜下出血は、眼科外来ではありふれた病気です。

結膜下出血の症状と経過

白目が真っ赤で目立ちますが、痛み、痒みや目やになどの症状はありませんhttps://meisha.info/archives/2035
出血は眼球壁の外https://meisha.info/archives/484で、ものをみる機能には影響ありません。
治療は不要で放置しても数日から2週間程度で出血は自然に吸収されます。
しかし点眼薬も渡されず十分な説明なしで帰されると、不安に思う患者さんは少なくないでしょう。
安心させるために[気休めの点眼薬]として人口涙液などを処方する眼科医もいますが邪道です。

結膜下出血患者さんへの対応

患者さんの不安を取り除くため、わかりやすい説明が重要でその要点は以下のごとくです。

1. 老化で脆くなった結膜血管が切れたことが原因

2. しかし眼球の外の出血なので眼球自体への影響はなく、視力などものをみる機能に影響はない

3. 現在赤く見えるのは血管外に出た赤血球が残っているだけで、出血が続いているわけではない

4. 放置しても自然に吸収されて、見た目も元にもどり、その期間は出血量によるが数日から2週間程度

5. したがって点眼薬などの治療は不要

私自身は眼底カメラの前眼部撮影機能でとった写真などを示して、結膜には血管が多いこと、出血は眼球の壁の外であることを示しつつ、上記の説明をしています。