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APMPPE と VKH の鑑別

APMPPE(急性後部多発性斑状色素上皮症)https://meisha.info/archives/4950VKH(フォークト-小柳-原田病)https://meisha.info/archives/1720はともに急性発症する両眼性の眼底病です。
典型例において、VKHは視神経乳頭発赤を含んで眼底後極に盛り上がるような滲出性網膜剥離https://meisha.info/archives/1017を生じ、APMPPEは眼底後極に多発する斑状の白斑を生じますが、視神経乳頭には変化ありません。
大野重昭 他: ぶどう膜炎診療ガイドライン. 日本眼科学会雑誌 123:635-96.2019
しかしVKHでも多発する斑状の白斑を示すことがあり、APMPPEでも漿液性/滲出性の網膜剥離を示すことがあります。
そのためAPMPPEの好発年齢である20-30代では、両者の鑑別が困難なケースを経験することがあります。

組織学的な病態の違い

VKHとAPMPPEを鑑別する有力なポイントのひとつは、OCTによる脈絡膜構造の観察です。
VKHの病態の主体は脈絡膜全層で、メラノサイトをターゲットとするリンパ球が充満します。
そのためSS-OCTで観察すると肥厚した脈絡膜の血管構造が不明瞭です。
一方、APMPPEは視細胞-RPE-脈絡膜毛細血管板という狭い範囲の層の病態なので、EZの異常はみられても、血管構造を含めて脈絡膜の大部分は正常に観察されます。

炎症消退期の違い

急性期の炎症がおさまった時期のVKHでは脈絡膜と網膜色素上皮のメラニンが失われて、眼底全体が明るくみえる夕焼け状眼底が有名です。
一方APMPPEでは急性期の炎症がある程度以上だと、炎症がおさまった寛解期には軽度な色素沈着を伴うまだらな網脈絡膜萎縮で汚らしい眼底になります。
急性期の鑑別には役立ちませんが、経過を追うことが両者の鑑別につながります。