• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

網膜色素変性の過蛍光リング

視細胞が死滅脱落する網膜色素変性では、視細胞を支える網膜色素上皮(RPE)細胞も委縮して眼底は脱色素性の変化を示し、眼底自発蛍光像で低蛍光となります。
https://meisha.info/archives/726

自発蛍光、リポフスチン、RPE細胞

眼底の自発蛍光はRPE細胞中に蓄積されたリポフスチンが主な発生源です。
視細胞外節はリニューアルのために、その先端部が日々放出されてRPEに貪食されます。
リポフスチンはその外節に含まれるロドプシンなど視物質を再処理する際に発生する老廃物です。
視細胞が死滅脱落した網膜色素変性の網膜では、再処理すべき視物質の供給がなくなります。
そのためにRPE細胞が委縮したり脱落したりすると、自発蛍光は減弱あるいは消失します。

過蛍光リング

自発蛍光が残る網膜色素変性の中心窩周囲エリアに、楕円形の濃い白色リングが見られることがあり、過(自発)蛍光リングhyperautofluorescent ringと呼ばれます。
網膜色素変性の目ではOCT検査で視細胞の内節に相当するライン(EZ)が中心窩周囲で途切れますが、
https://meisha.info/archives/735
過蛍光リングはその部位に一致して観察されます。
すなわち過蛍光リングの内縁の位置でEZが途絶し、内縁から外縁にかけて視細胞核を表す外顆粒層の厚みが減少することが報告されました。
Lima LH et al.: Structural assessment of hyperautofluorescent ring in patients with retinitis pigmentosa. Retina 29:1025-31.2009

視細胞死の最前線は視野障害の境界

過蛍光リングは死滅し崩壊しつつある視細胞外節によって過剰に供給されるリポフスチンに由来するわけで、求心性に進行する視細胞死の最前線といえます。
また図のように上下のみ反転した10-2視野を眼底に対応させると、過蛍光リングの部位は正常視野と暗点の境界に一致することがわかります。