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過蛍光リングのその後と錐体ジストロフィのリング

網膜色素変性の眼底自発蛍光像(FAF)で中心窩周囲にみられる過蛍光リングは、求心性に進行する視細胞死の最前線です。
https://meisha.info/archives/744
典型例では過蛍光リングと周囲の低蛍光部の間にも、過蛍光リング内部と同様の一見正常な自発蛍光を発するエリアがみられます。
この部(図の赤い☆)ではすでに視細胞は消失していますが、かつて存在した視細胞外節から供給されたリポフスチンを含む網膜色素上皮(RPE)細胞が、まだ委縮せずに正常に近く残っていて、自発蛍光を発していると考えられます。

視細胞死が中心窩に及ぶ網膜色素変性

すべての網膜色素変性で過蛍光リングが観察されるわけではありません。
網膜色素変性の進行に伴って過蛍光リングの直径は減少し、ついにはリング内の正常自発蛍光部位は消失します。
中心窩まで到達した過蛍光のエリア内に今度は低蛍光のリングがみられることがあります。
周辺網膜での低蛍光と同様に、RPEの委縮がリング状にみられるためです。
これはかつて錐体ジストロフィクロロキン網膜症Bull’s eye黄斑症とよばれた所見で、この部のRPEが障害を受けやすいことを反映していると考えられます。
Grey RH, Blach RK, Barnard WM: Bull’s eye maculopathy with early cone degeneration. Br J Ophthalmol 61:702-18.1977

錐体ジストロフィのリング

求心性に病変が進行する網膜色素変性とは対照的に錐体(-杆体)ジストロフィ(CD or CRD)では黄斑部から始まった病変が遠心性に進行します。
そのため、黄斑部の低蛍光の周囲に過蛍光のリングがみられます。