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裂孔原性網膜剝離とその予防治療

裂孔原性網膜剝離

裂孔原性網膜剝離は放置すれば失明にに至る怖い病気です。
網膜にできた裂け目(網膜裂孔)から硝子体中の水が網膜の下に流れ込んで、網膜が剥がれます。
失明しないためには網膜復位術という手術が必要です。

飛蚊症の患者さんがいう網膜剥離手術

飛蚊症を訴える患者さんには裂孔原性網膜剝離のリスクがあります。
https://meisha.info/archives/446
その患者さんが[以前に、網膜剥離の手術を外来で受けました]と話すことがあります。
裂孔原性網膜剝離に対する手術は、最近では日帰り手術で行うこともありますが、通常は入院して手術を受け、術後は病室での体位制限を含めた安静加療が必要です。
患者さんがいう[外来での網膜剥離手術]というのは、多くは網膜復位術ではなく、網膜裂孔に対するレーザー治療のことで、これは裂孔原性網膜剝離の予防治療です。
医療保険でレーザー治療は手術治療に分類されていますが、眼科医は手術とレーザー治療は区別しています。

網膜裂孔に対する予防レーザー治療

裂孔原性網膜剝離(図の上段)であれば手術が必要ですが、まだ周囲の網膜が剥がれていない網膜裂孔だけの時期(図の中段)に運よく発見されれば、レーザー光凝固によって網膜が剥がれるのを予防できて手術をしなくて済む確率が高くなります。

治療の目的は網膜裂孔周囲の細胞を凝固して、かさぶた(瘢痕)による神経網膜と網膜色素上皮の間の癒着を作り(図の下段)、硝子体の水が潜り込んで神経網膜がはがれるのを阻止することです。

図の左はレーザー前、右はレーザー治療直後で馬蹄形の網膜裂孔周囲を白色のレーザー凝固瘢痕が多重に囲んでいます。