霰粒腫の治療には経過観察、ステロイド眼軟膏/局所注射、手術(切開掻爬)https://meisha.info/archives/2315があり、成人のケースでは、大きさや種類(限局型VSびまん型https://meisha.info/archives/627)に応じて、最適治療を選択します。
一方乳幼児を含む小児では注射や手術時の安静の確保が困難なため、眼軟膏の治療に偏りがちです。
しかし小児例でもやはり病状と患児の協力性に応じた適切な治療を選択すべきです。
図上は2歳女児で、両側下まぶたのびまん型で大きな霰粒腫です。
治療が遅れると眼瞼の皮膚に醜形を残すリスクがあるので、手術による切開掻爬がベストです。
しかし乳幼児のため局所麻酔手術は困難です。
ありふれたまぶたの病気に対して全身麻酔での手術を行うことに抵抗はありますが、両親によく説明した上で、入院して全麻手術を行いました。
術後5カ月の下写真では、きれいなまぶたの状態を回復できました。
もう少し軽症で年長児であれば、母親や看護師の協力のもと、外来での注射や手術が可能です。
図は9歳女児の右下まぶたの限局型の霰粒腫です。
[細い針なのでチクンとするだけだよ]などとよく説明を聞いてもらった上で、ベッド上仰臥位にんて、27Gの針で霰粒腫周囲に経皮的ケナコルト注射を行いました。
その後はプレドニン眼軟膏を皮膚に塗布して経過みたところ、3カ月後には縮小して目立たない程度になりました。
左上まぶたの霰粒腫に対して複数の診療所で3カ月の間、軟膏による治療が継続された11歳の男児が、3週間前の写真(図左11/11)を持参して紹介受診しました。
受診時の中央写真では器質化した病変が左上まぶた外側から突出して外見的に目立ちます。
びまん型で皮膚表面に穿破を繰り返した後の瘢痕状態だったようです。
我慢強そうな子だったので、外来ベッドで結膜円蓋部と眼瞼皮下に局所麻酔注射をして、挟瞼器https://meisha.info/archives/218で挟んで腫瘤を切除しました。
病理検査では慢性炎症後の結合組織主体の変化で霰粒腫に矛盾しません。
図右の術後1週間の写真で軽度の発赤はみられますが傷は目立ちません。