ポリープ状脈絡膜血管症PCV: polypoidal choroidal vasculopathyは日本を含めたアジアに多い滲出型加齢黄斑変性https://meisha.info/archives/119の1病型です。
典型病変は後極眼底にみられる橙赤色の網膜下隆起です。
診断にはICG蛍光造影検査が重要で、典型像は枝分かれするネットワーク血管branching vascular networks: BVNsの末端にみられるポリープ状と形容される瘤状の拡張血管です。
拡張した瘤状血管はOCTでは急峻に隆起したRPEの天井に貼りつく高反射病変として観察されます。
透過性が亢進した瘤状血管は高頻度に滲出、出血を繰り返して、漿液性/出血性の網膜/RPE剥離を生じ、英語ではserosanguinous detachment of sensory retina and pigment epithelium と表現されます。
突然に出血して高度の視力低下と中心暗点を訴える大量の黄斑下血腫の原因のひとつとしても重要です。https://meisha.info/archives/2201
治療の主体は抗VEGF薬硝子体注射で、RPE下への移行が良好なアフリベルセプト(アイリア)が主に用いられます。
瘤状血管の縮小消失には光線力学的療法 PDT: photodynamic therapy https://meisha.info/archives/1966の併用が有用です。