• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

乳幼児の眼科診察法2:まぶたと結膜の診方

同じ目線の高さで

まず眼科医は椅子から降り、しゃがんで患児と同じ高さの目線で診察します。
上から目線での診察は乳幼児に威圧感を与えます。
同じ理由で白衣は脱いだほうがよいでしょう。

痛いまぶたのさわり方

乳幼児に多い麦粒腫と霰粒腫の違いは痛みです。https://meisha.info/archives/627
圧痛は細菌感染である麦粒腫の特徴ですが、痛むまぶたをいきなりさわるのはNGです。
図のようにまぶたから離れた眉毛部や頬部の皮膚からさわり始めます。
この部位には皮下に硬い眼窩骨の支えがあるので、患児は触られても平気です。

[痛いかな?]と尋ねながらそこから少しずつまぶたに近づき、[痛い]といえば終了麦粒腫などの感染症と判断します。
そうでなければ霰粒腫やかぶれなど非感染性のまぶたのしこりや腫れと考えます。https://meisha.info/archives/3292

結膜は側方視、上下方視させて観察

正面からでは上下のまぶたに挟まれた結膜は十分に観察できません。https://meisha.info/archives/2498

たとえば図のように頭部を左に回転して右方視でこちらを見てもらうと、右目は外転、左目は内転するので、右目の内側、左目の外側の結膜浮腫/充血や眼脂付着を観察できます。
その際、乳児では患児の後ろに居る母親に頭の向きを変えてもらいます。

同様に下方結膜は、眼窩下縁部の皮膚を骨に押し付けるように引っ張って上転を命じて観察します。
上方結膜眉毛部の皮膚を眼窩上縁の骨に押しつけるようにして、下転を命じて観察します。