• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

超広角眼底カメラと蛍光眼底造影検査

走査型レーザー検眼鏡システムの超広角眼底カメラ(商品名:オプトス)を使用すれば、周辺部までの眼底を1枚の写真として無散瞳で撮影できます。https://meisha.info/archives/3081
網膜裂孔の発見に有用なだけでなく、蛍光眼底造影検査FAに使用すれば虚血型BRVO(網膜静脈分枝閉塞症)の網膜無灌流野新生血管の分布がよくわかります。https://meisha.info/archives/2221

糖尿病網膜症の病期とFA

糖尿病網膜症は10年以上糖尿病に罹患している患者さんの15-40%に見られます。https://meisha.info/archives/1136
単純網膜症→増殖前網膜症→増殖網膜症と進行する病期のうち、単純網膜症では、毛細血管瘤がFAで多数の白点として観察されます。
以前は通常画角の眼底カメラで何枚も撮影したFA写真を並べたり切り貼りでつなげたりして眼底全体像を確認しました。

オプトスによる超広角FA像

オプトスが使えるようになると、一度に眼底全体のFA画像が撮影可能です。
図左はわずかながら網膜新生血管NVが見られるので増殖網膜症ですが、増殖前網膜症に近い病期のもので、虚血を示す網膜無血管野が黒く観察されます。
図中央増殖網膜症では蛍光漏出のため、滲んだように見えるNVが多発しています。
失明させないために増殖前、あるいは増殖網膜症の時期にはレーザー光凝固治療https://meisha.info/archives/321を行いますが、治療後のFAでは図右のように多数の黒い凝固斑が確認できます。