網膜色素変性のような遺伝病であっても、常染色体潜性(劣性)https://meisha.info/archives/4046遺伝AR: autosomal recessive inheritanceでは、[家族や親戚に同じ病気のひとはいない]との回答がよく返ってきます。
しかし常染色体顕性(優性)遺伝 AD https://meisha.info/archives/3743やX染色体潜性(劣性)遺伝 XR、あるいは母系遺伝https://meisha.info/archives/993では、家族歴をていねいに聴取すると、[亡くなった母親が晩年両目ともあまり見えていなかった]とか[母方の叔父さんが同じようだった]など家系内の他の異常者の存在がわかります。
そのような場合、図のような決まりに従った家系図を作成します。
家系図・遺伝カウンセリング:遺伝性腫瘍専門医テキストブック: へるす出版. 104-107, 2022
罹患者のうち、最初に発見された発端者は矢印で示すことになっています。
保因者は遺伝子変異をもっているが、発症していないひとで、ARやXRの原因遺伝子をヘテロでもつケースです。
X染色体潜性(劣性)遺伝では、男性罹患者の娘や母親(母親の両親に連なる家系に罹患者がいる場合)はobligate carrier(絶対保因者または確定保因者)と呼ばれます。http://sph.med.kyoto-u.ac.jp/gccrc/pdf/2010_2.pdf
図はX染色体潜性(劣性)遺伝をとるコロイデレミアの家系図ですが、obligate carrierには特徴的な眼底変化がみられ、診断の重要な診断根拠になります。https://meisha.info/archives/2910