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抗VEGF薬治療と検査

硝子体注射で使用される抗VEGF薬は、眼科の代表的な分子標的薬で、2022年6月現在、ルセンティス(ラニビズマブ)、アイリア(アフリベルセプト)、ベオビュ(ブロルシズマブ)、バビースモ(ファリシマブ)の4種類があります。
主な対象疾患は滲出型加齢黄斑変性nAMDhttps://meisha.info/archives/119網膜静脈閉塞症(RVO:BRVOとCRVO)による黄斑浮腫(RVOME)https://meisha.info/archives/561、それに糖尿病黄斑浮腫(DME)です。
nAMDはneovascular AMDのことですが、滲出型加齢黄斑変性は正確にはexudative AMDでeAMDと略されることもあります。

抗VEGF薬の治療目的

VEGFには血管新生促進作用血管透過性亢進作用があり、抗VEGF薬を治療に用いる目的は、nAMDでは血管新生抑制による滲出病変の活動停止であり、RVOMEとDMEでは血管透過性抑制による黄斑浮腫軽減です。

抗VEGF薬治療前の検査とその意義

抗VEGF薬治療の前に行う検査として、光干渉断層計(OCT)フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)https://meisha.info/archives/3143があり、nAMDではICG蛍光造影(IA)も行います。
OCT検査の意義は、nAMDでは病変の活動性を反映する網膜下液や網膜内浮腫などの滲出病変の評価であり、RVOMEやDMEでは網膜内浮腫と漿液性網膜剥離から成る黄斑浮腫の程度の評価です。

それではFAやIAの目的は何でしょうか?

nAMDでのFA/IAの意義

nAMDで出血や滲出の原因になる異常血管としては、脈絡膜新生血管CNV、特異な形状のポリープ状脈絡膜血管症PCV、網膜血管由来の新生血管である網膜血管腫状増殖RAPなどがあり、その病型によって治療方針が決まります。
そしてその診断はOCT像を参考にしつつも主にFA/IA像から判断します。

RVOMEとDMEでのFAの意義

一方、RVOMEやDMEでのFAの意義は、毛細血管が閉塞して虚血に陥っている無灌流野(NPA)の範囲の評価です。
広いNPAの目では新生血管NVを生じて硝子体出血や血管新生緑内障などのリスクがあり、その予防目的でレーザー光凝固を行います。https://meisha.info/archives/2221
ただし、RVOMEに限っていえば、黄斑浮腫で視力が低下して眼科にかかる急性期にはその心配はあまりないので、抗VEGF薬治療の前にFAを行う必要性はあまりありません。