• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

メガネトラブル

屈折異常(近視、遠視、乱視)や調節異常(老視)でのぼやけはメガネで矯正できます。https://meisha.info/archives/2761
しかし表のごとくの不適切な処方誤った使用法のメガネ使用で、目の不調を訴えて眼科を受診する患者さんは少なくありません。

1. 近視の過矯正メガネ

近視の若年者に多いのが過矯正メガネによる眼精疲労です。https://meisha.info/archives/259
所持メガネをかけて赤緑テスト(2色テスト)https://meisha.info/archives/2093を行い、緑の中の十字や円の黒線のほうが赤の中のものよりくっきり見えれば、マイナスレンズの度数が強すぎる過矯正です。
調節負荷が過剰となり疲労の原因となります。

2. 不適切な円柱レンズ度数や軸ズレ

乱視は目のレンズである角膜や水晶体の球面のゆがみで生じ、円柱レンズのメガネで矯正できます。https://meisha.info/archives/1520
しかし円柱レンズの軸がずれていたり、度数が強すぎると眼精疲労の原因になります。
円柱レンズ度数はレフラクトメーターで他覚的に測定できますが、その値よりも少し弱めに処方したほうが一般的には疲れにくいメガネになります。

3. 不同視眼の不適切な矯正

不同視で両眼視しているヒトに完全矯正のメガネを処方すると不等像視による眼精疲労を生じます。https://meisha.info/archives/3780

4. 累進メガネ追加度数の設定ミス

老視年齢に達した近視のヒトにとって累進メガネhttps://meisha.info/archives/374は便利ですが、近方追加度数をいきなりadd +3.0Dなどとすると眼精疲労の原因になります。
老視初期でまだ調節力が残る目では、自身の調節力を使用させてadd +1.0Dあるいは+1.5D程度の弱い累進メガネからスタートするのが無難です。

5. 累進メガネ使用法の説明不足

累進メガネは常用することが前提の遠近両用メガネで、視線を下方移動することで近方視します。
しかし老眼鏡だと勘違いして、新聞を読む際にだけかけている高齢者は少なくありません。
その場合、視線の上下移動に慣れていないとよく見えません。https://meisha.info/archives/374
対応は累進メガネではなく単焦点の近用メガネに変更することです。