• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

[白目が赤い]

[目が真っ赤になった]と訴えて眼科を受診する患者さんは珍しくありません。
原因の多くは結膜下出血https://meisha.info/archives/2035ウィルス性結膜炎ですが、その他の結膜炎https://meisha.info/archives/2498虹彩炎/角膜炎/強膜炎/上強膜炎など眼球自体の炎症、点眼薬の副作用https://meisha.info/archives/274翼状片https://meisha.info/archives/1700なども含まれます。
特殊なものとして上強膜の血管が拡張蛇行して赤く見える頸動脈海綿静脈洞瘻CCFもあります。

結膜血管と強膜表面の血管

白目が赤くなる原因は白目の血管の拡張(充血)出血です。
白色の強膜とこれを覆う半透明の眼球結膜https://meisha.info/archives/2981のそれぞれに血管があります。
強膜表面の血管は固定されていますが、結膜血管には可動性があります。

結膜充血と毛様充血

結膜炎では結膜血管が拡張する結膜充血で結膜全体がピンク色に見えます。
一方、強膜表面の血管は強膜自体の炎症(強膜炎)で充血する以外に、虹彩炎など眼球内部の炎症でも充血します。
これは角膜輪部という角膜に接する部位での強膜上の血管が、虹彩や毛様体など眼球内の血管と交通しているためです。
角膜輪部の強膜表面の血管拡張によってこの部位の赤みが強まる所見は毛様充血と呼ばれます。

結膜下出血

高齢者の結膜血管が切れて血液が結膜と強膜の間にたまる結膜下出血では、充血とは異なりべたっとした赤色に見えます。
結膜(眼球結膜)は目を動かすたびにしわになったり伸びたりします。https://meisha.info/archives/2212
その際にもろくなった結膜血管が容易に切れるのです。

充血、出血と症状

結膜充血、毛様充血、結膜下出血はそれぞれ異なった病気でみられ、表のように違いがあります。

[白目が赤くなった]場合、痛みと視力低下の有無である程度病気を判断できます。
急性炎症である虹彩炎、角膜炎、(上)強膜炎では通常痛みを伴います。
結膜炎での痛みは異物感程度で、それよりも目ヤニや痒みの症状が目立ちます。
眼球内、あるいは視軸上の角膜の炎症では視力は低下しますが、それ以外では通常正常です。
結膜下出血では痛みはなく、視力も正常です。