• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

神経眼科疾患とMRI

神経眼科

眼科の専門領域のひとつに神経眼科があります。https://meisha.info/archives/3113
対象となるのは視神経の病気https://meisha.info/archives/3109複視を主訴とする眼球運動障害https://meisha.info/archives/2893です。
いずれも多くの異なる病気が含まれ、診断には詳細な病歴と特有の神経学的検査が必要です。

神経眼科疾患とMRI検査

加えて多くの神経眼科疾患では、眼窩及び頭蓋内構造を画像化するMRI検査が必要です。
生命にかかわる脳腫瘍や脳梗塞が原因となることがあるため一部の診療所の眼科医は、MRI装置のある近隣の脳外科病院に[眼球運動障害の原因となる脳の異常をMRIで調べてください]と依頼をします。
その場合、通常T1WI、T2WI、DWIによる脳の水平断面画像とMRAの結果が報告されます。
しかしこれらの画像で、たとえば複視の原因になる甲状腺眼症の異常を捉えるのは困難で、脂肪抑制なしT2WIの眼窩3方向画像追加撮影する必要があります。https://meisha.info/archives/27

再度のMRI検査

[脳のMRI検査では異常はありませんでした]という診療所からの紹介状を持って大学病院の眼科初診外来を受診する視神経疾患あるいは眼球運動障害の患者さんは少なくありません。
その際患者さんに以下のように告げることがあります。
[貴方が受けたMRI検査で脳腫瘍がないことはわかりますが、眼球運動を障害する眼窩内の病気の有無については不十分です。また視神経の病気の診断に重要な断面像の画像はないので、再度MRI検査が必要です。]

図に示す右球後視神経炎では水平断のMRI画像でもなんとか視神経の炎症がわかりますが、冠状断で左右の視神経断面を比較するほうがわかりやすいです。

病気別MRIオーダーのポイント

視神経疾患、複視を訴える眼球運動障害の診断では想定される病気に応じて、表の濃い色で示す断面画像が特に重要で、造影の必要性とその他の注意点も含めて記載しました。

眼運動神経麻痺の原因として脳動脈瘤https://meisha.info/archives/1083は重要でMRAが必要になります。
T2強調画像 T2WIでは浮腫性変化が高信号で白く映り、視神経の炎症、甲状腺眼症での外眼筋の炎症を評価できますが、同様に白く映る眼窩脂肪を抑制する必要があります。
ただしsagging eye 症候群では眼窩プーリーのLR-SRバンドは高信号で白く見える脂肪内に暗いバンドとして観察されるので脂肪抑制なしです。https://meisha.info/archives/2663