• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

眼瞼/眼窩/涙道

非典型の特発性眼窩炎症とIgG4関連眼疾患

特発性眼窩炎症の疾患概念はあまりわかりやすいものではありません。その理由のひとつに最近数十年の間の分類病名の変遷が関係しています。 眼窩腫瘤形成病変の分類 1962年の眼病理の教科書では、眼窩原発の腫瘤の分類中に炎症性の ...

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急性発症する特発性眼窩炎症の典型病型

特発性眼窩炎症 特発性眼窩炎症 IOI: Idiopathic orbital inflammationは眼窩内の占拠性病変として画像診断される良性で非感染性の臨床症候群です。病理組織学的には新生物ではなく炎症病態のため ...

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眼窩炎性偽腫瘍から特発性眼窩炎症そしてIgG4関連眼疾患

臨床病名:眼窩腫瘍 眼窩腫瘍は良性と悪性(癌と肉腫)の新生物neoplasiaだけでなく、臨床的には肉芽腫や炎症性腫瘤をも含む概念です。 1962年に出版された眼病理のバイブルHogan & Zimmerman ...

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小児の頭部MRI検査

乳幼児や小児で表のような異常が疑われる場合、脳や眼窩のCTやMRI画像を撮影することがあります。 Aの眼内腫瘍のうち白色瞳孔https://meisha.info/archives/1265が特徴の網膜芽細胞腫https ...

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IgG4関連眼疾患 IgG4-ROD の病変部位

IgG4関連眼疾患とIgG4関連疾患 IgG4関連眼疾患 IgG4-related ophthalmic disease: IgG4-RODは表に示す全身の臓器に慢性炎症を生じるIgG4関連疾患 IgG4-related ...

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涙小管炎

涙小管炎の代表的所見は拡張した涙点周囲の発赤腫脹と多量の膿、周囲結膜の充血、眼瞼腫脹などで、中高年の女性に多くみられます。傷ついた涙小管粘膜での慢性の細菌感染によって菌石(涙石、菌塊)が涙小管内に形成され、抗菌薬点眼に抵 ...

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眼科専門医試験の病理組織問題

眼科専門医試験には病理組織の写真をみて解答する問題が毎回2-3題出題されます。そこで最近3年分の出題内容を調べてみました。 2023年、問題10:45/F 眼瞼基底細胞癌 眼瞼基底細胞癌の多くは図のような潰瘍を伴う結節型 ...

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眼球摘出術と眼窩内容除去術

眼球摘出術 眼球内の網膜で捉えられた外界の像は、視神経を経由して脳の後頭葉に伝えられ、初めて視覚情報として自覚され、[見えた]と感じます。眼球摘出術はこの脳との連絡路である視神経を切断して眼球を取り出す手術です。 眼球摘 ...

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霰粒腫と誤診される脂腺癌

仮面症候群 前房内細胞や硝子体混濁など、ぶどう膜炎様の所見を示す眼内悪性リンパ腫はステロイド治療(点眼、テノン嚢下、内服)に反応しないため、仮面症候群masquerade syndromeと呼ばれます。眼瞼の脂腺癌で腫瘤 ...

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脂腺癌の手術

脂腺癌https://meisha.info/archives/691は基底細胞癌とともに本邦の2大眼瞼悪性腫瘍のひとつです。治療の基本は手術ですが、悪性腫瘍なので腫瘍細胞を取り残すと、局所再発、眼窩など周囲組織への浸潤 ...

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