• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

断面図で理解するまぶたの病気

まぶたの腫れとできもの

眼瞼の腫脹や腫瘤を訴えて眼科を受診する患者さんは少なくありません。
このうち違いがわかりにくいとされる麦粒腫、霰粒腫、マイボーム腺嚢胞、マイボーム腺梗塞の病態を模式図にて示しました。
麦粒腫https://meisha.info/archives/596のうち外麦粒腫は睫毛根に存在する睫毛脂腺や睫毛汗腺から侵入した細菌感染による急性化膿性炎症です。
これに対して霰粒腫https://meisha.info/archives/627非感染性の慢性炎症で、瞼板内のマイボーム腺に貯留した油脂に対する肉芽腫が主体です。
瞼板内にとどまる限局型とこれを超えて眼瞼皮下に広がるびまん型があり、後者では麦粒腫に似た発赤がみられることがありますが、痛みは通常ありません。https://meisha.info/archives/665

マイボーム腺嚢胞(瞼板内角質嚢胞)https://meisha.info/archives/638はマイボーム腺の腺管が中途で閉塞してできた嚢胞腔内に、嚢胞壁の上皮細胞から脱落した角質を含む粥状物が貯まった貯留嚢胞で、皮様囊腫https://meisha.info/archives/1316類表皮嚢胞https://meisha.info/archives/1322に類似する非炎症性病態です。
マイボーム腺梗塞https://meisha.info/archives/2964は眼瞼縁でマイボーム腺開口部が閉塞して、脱落した腺管上皮が練り歯磨き状に固形化した塊です。
ここに細菌が感染すると内麦粒腫https://meisha.info/archives/596と呼ばれ、発赤疼痛の感染性炎症の像を示します。

そのほかの病態

そのほか本ブログで登場した下記の病態を鑑別する必要があります。
悪性腫瘍
脂腺癌https://meisha.info/archives/691
基底細胞癌https://meisha.info/archives/695
良性腫瘍
眼瞼母斑https://meisha.info/archives/695
脂漏性角化症https://meisha.info/archives/695
乳児血管腫https://meisha.info/archives/2964
その他
接触性眼瞼皮膚炎https://meisha.info/archives/2109
眼瞼(縁)炎https://meisha.info/archives/703
甲状腺眼症https://meisha.info/archives/2530による眼瞼の発赤腫脹